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障害者手帳の発行前に!〜障害受容について話し合おう〜

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障害者手帳の発行前に!
〜障害受容について話し合おう〜

トクシル

こんにちは!トクシル(@tokushiru)だよー
障害者手帳の発行で金銭的にメリットがあるけど、他に注意することあるかな。

この記事で知れること
  • 障害者手帳の取得は、当事者にとって大きなイベントであること
  • 障害者手帳を取得する上で、「本人と支援者の障害受容」が重要な判断材料になること
  • 障害受容を明確に判断することは難しく、グラデーションで判断することが現実的であること

当記事のエビデンス

当記事では、「障害者手帳の取得をきっかけとした本人との話し合いの重要性」について述べています。サービスの内容や取得までの手続き等の詳細は、お住まいの自治体にご確認ください。

目次

障害者手帳ってなに?

障害者手帳(以下、手帳)とは、国や地方自治体などから必要なサービス(障害者割引、税金控除など)を受けるために必要なものです。また、手帳の取得によって当事者の障害が公的に認められるという側面もあります。

手帳には療育手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類があり、障害種に応じて取得する手帳の種類が異なります。

春日井市公式HP 「障害者手帳」 画像引用
https://www.city.kasugai.lg.jp/shimin/fukushi/syogai/syougaitetcyousyouryaku/index.html 
厚生労働省HP 「障害者手帳について」 画像引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html

詳しい福祉サービスについては、お住まいの自治体をご確認ください。

手帳の取得は大きなイベントであること

手帳の取得によって得られる金銭的なメリットに目が行きがちですが、同時に公的に障害が認められるという側面もあります。つまり「社会的に障害者として認識される」ことを意味します。

これは、本人にとって大きな節目となるでしょう。ぼんやりと理解していた障害も、手帳を通じて自分に直接関わるものとしてはっきりしたものになります。

将来的に手帳を利用するのは本人自身ですから、本人の立場や考えを尊重するために話し合いが必要です。

手帳を発行する判断基準はある?

手帳を発行するべきかどうか判断するために話し合いは必要です。話し合いの中で大きなテーマとなるのは「本人と支援者の障害受容」です。

障害受容とは、自身の障害を受け入れることですが、厳密に言えばさまざまな考え方があります。

障害の受容とはあきらめでも居直りでもなく,障害に対する価値観(感)の転換であり,障害をもつことが自己の全体としての人間的価値を低下させるものではないことの認識と体得を通じて,恥の意識や劣等感を克服し,積極的な生活態度に転ずること」(上田敏.1980)

障害受容とは、障害者個人が様々な障害の性質、障害者を取り巻く人間関係、全体社会と言った諸要素と相互作用する過程を、そこで生じる肯定的・否定的感情も含めて受け入れることができること(岩井.2011)

どちらも、完全な障害受容は非常にハードルが高いという共通点があります。特に本人の場合は、年齢にもよりますが、障害受容を明確に判断することは難しいかもしれません。そのため、障害受容ができるかどうか、どちらに傾いているかグラデーションで判断することが現実的だと考えます。

エビデンスの解説

タイトルをタップすると
内容が確認できます

岩井阿礼(2011).障害受容概念と社会的価値-当事者の視点から

障害受容の価値転換論を指摘し、一般的な障害者にとって、障害受容はハードルが高いことを述べた。さらに、障害受容のハードルを低くするためには、社会全体が変わる必要があると述べ、障害者個人だけでなく社会もその責任を負う必要があると主張した。

トクシルの考え

話し合いのポイント

障害受容に関する本人の返答は、以下のパターンが考えられます。

パターン

障害を受け入れることが「できない」

「障害」という言葉に嫌悪感がある。マジョリティへのあこがれがある。などが背景にある可能性

パターン

障害を受け入れることが「できる」

「障害」という言葉に肯定的。障害に縛られない自分がイメージできる。などが背景にある可能性

パターン

適当な返事

理解力が不足している。自分で考えることが苦手。などが背景にある可能性

①と③を選択した場合は、手帳の取得は慎重になる必要があります。

障害受容で判断できることは、自分の障害を相手に伝える力と関連しています。特に軽度の障害者の場合は、手帳を自己管理する可能性が高いため、手帳を第三者に見せることに抵抗を感じる可能性があるかもしれません。障害の程度を問わず、手帳の持ち主は本人であり、将来的には本人が利用します。これを念頭に話し合う必要があります。

また、障害受容は本人の問題だけでなく支援者も含みます。特に家族の場合、親の考え方がそのまま本人の考え方になる場合もあります。よって、本人と支援者全員が障害受容について話し合うことが重要です。

手帳のイメージが湧いていない可能性

運営者も初めて手帳を見たときは驚きました。自治体によってデザインが異なりますが、基本的に顔写真のとなりに障害名とその程度が記載されています。障害名を公表したくない人にとって、取得のハードルが高くなる要因になる可能性があります。

繰り返しになりますが、手帳の持ち主は本人であり、将来的には本人が利用します。一度自治体に足を運び、手帳の見本を見せてもらうことも取得を検討する際の参考になると思います。

いかがでしょうか。こうした可能性を考慮すると、手帳の発行は慎重に検討する必要があり、多くの時間が必要になるため、就職前や進学前だと焦りから冷静な判断ができないかもしれません。手帳の発行を検討されている場合は日頃から本人と支援者を含めて話し合うことを強くお勧めします。

トクシル

障害に対して、本人と支援者が同じ方向を向くことは大事だね!

まとめ
  • 障害者手帳の取得は、当事者にとって大きなイベントであること
  • 障害者手帳を取得する上で、「本人と支援者の障害受容」が重要な判断材料になること
  • 障害受容を明確に判断することは難しく、グラデーションで判断することが現実的であること

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